自由が欲しかった…

始めに言っておきますが、私は会社を辞めたといっても、その会社を恨んでなんかいません。
同僚、先輩は真面目で常識的な人がほとんどでしたし、給料も若干のサービス残業はありましたが、ちゃんと払ってくれました。ブラック企業の類ではまったくありません。
むしろ、その会社には私に社会というものを教えてくれたことに対して感謝しているぐらいです。

まず、私は自ら望んでその会社に入社しました。第一希望です。入社した時には希望に燃えていました。
一年目は先輩から仕事を教わりつつ、電話番などの雑務をこなす日々。はっきり言ってつらかったですが、誰でも新人の頃はこんなもんだろうと思って我慢しました。しかし、その甲斐あって仕事のスキルもUPして、残業も一杯こなしたので給料も多く、全体的には満足していました。

二年目も基本的には修行の日々だったのですが、忙しすぎる日々に嫌気が差し始めました。とにかく残業が多い会社で、定時は一応5時だったのですが、実際は夜9時ぐらいが定時で、12時回っても常に部屋には誰かいる、という状況でした。
仕事だけの人生は嫌だと思った私は、習い事を始めました。それで先輩が深夜まで残業する中、私は5時ぴったりに帰ることも多くなって、脱落し始めます。
仕事にも疑問を持ち始めます。私の会社の取引先は8割が役所やその外郭法人だったので、発注者である役人とやり取りして仕事を進めることが多かったのですが、本当にこれが我慢できませんでした。マジで官僚は超エラソーで吐き気がしました。そちらは発注者でこちらは受注者だから上下関係ができるのは仕方がないかもしれないけれど、その金って税金でしょ?なにゆえそれだけ人を見下した態度に出るのか理解しかねました。
この時は、まだ私は先輩社員の傘の下にいるので、直接役人から攻撃を受けることはありませんでしたが、年数が経ったら私も矢面に立たされることになります。その時、あんなシロアリ連中に頭を下げるなんて虫唾が走ります。それならあいつらを一発殴って首になったほうがましだと思っていました。

また、2年目の最後の方になると他にやりたいことが出来て、会社を辞めることを本格的に考え始めます。仲の良かった先輩にも相談したのですが、それが上司に伝わって話を訊かれることになって、退職するかもしれないことを伝えました。

3年目はほとんど燃えカスでした。大した仕事も回ってこず、やることといったら忙しい先輩のヘルプや2年目の業務の残務処理などで、会社としてももう育てる気がないのがわかりましたし、私自身もヤル気を失っていました。しかし、会社を辞めることは勇気のいることです。辞めた後の人生を考えるとすぐに辞めるという行動にもでられません。しばらく悩みました。
そして結局、夏になって退職することを上司に伝えました。上司からは特に引き止められることもなく了承されました。そして具体的に退職する時期とそれまでの年休消化や残務処理について話し合いました。

辞めることを決めると感慨深くもありましたが、随分とすっきりもしました。これから新しい人生が始まる。自分の中に消えていた希望が再び燃え上がりました。

秋になると年休消化で会社を休むことが多くなり、自由も増えて楽しい日々が増えました。
10月頃には、私は自分の机を整理し始めました。そこで、上司以外の殆どの人が私が本当に退職することに気がついたようです。向こうからすれば私は「脱落者」だと思いますが、こちらからすれば「お先に!」という感じです。なぜか妙に気分が高揚しました。

そして、年末、仕事納めの日が私の退職日になりました。
名残を惜しんでくれたのは、仲の良かったラインからは外れた先輩と、他部署の部長さんの2名だけでした。私はひっそりと社章と社員証を事務所に返し、会社を永久に後にしました…。

3年弱の会社員生活でしたが、後悔はしていません。私の場合は会社の選択ミスというより、会社員自体が向いてなかったと思います。残業も、嫌な取引先に頭を下げることも、どこの会社でもあることですし、おそらくどこの会社に入っても私は辞めていたでしょう。

そんな自分を知ることが出来て、有意義な3年でした。でも最後の1年は無駄だったかもしれません。もっと早く辞めてもよかったかなあとも思います。