100時間を超えると危険

過労死とは長時間労働・不規則な勤務業務に起因する極度の過労やストレスや長期間にわたる疲労の蓄積などにより、脳疾患や心臓疾患を起こし突然死することです。
また、業務のストレスによる自殺も過労死に含める場合があります(過労自殺については別ページで書きます。本ページでは主に突然死の方について述べています。)。

かなり前から問題になっているものの、毎年かなりの数の労働者が過労死しています。
毎年、100人以上が過労死していると認定されていますが、労災申請をしていない人(遺族)もいるでしょうから実態はもっと多いと思われます。
また、近年は増加傾向にあるようです。

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出典:厚生労働省HP(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000049293.html)

過労死で労災申請をしても認定されるのは50%以下であることからも分かりますが、死亡の原因を過重な労働であると立証することは難しいです。
一応、時間外労働(残業・休日出勤)の時間の基準があります。

●発症前1か月ないし6か月にわたり、1か月あたりおおむね45時間を超える時間外労働を行わせた場合は、時間が長くなればなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まる。

●発症前1か月間におおむね100時間を超える時間外労働を行わせた場合、または発症前2か月ないし6か月間にわたり1か月あたりおおむね80時間を超える時間外労働をさせた場合は、業務と発症との関連性が強い。

45時間・80時間・100時間と、3つの数字が出てくるので、過労死のボーダーラインがわかりづらいですね。
では現実的に、どれぐらいの時間外労働なら過労死認定されるのでしょうか?
時間別で実際に認定された数を見てみましょう。

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出典:厚生労働省HP(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000049293.html)

実際は45時間では認定されにくいようで、60時間以上になって認められるようです。
60時間以上なら時間が増えても認定される割合はあまり変わらないようです。
時間外勤務が160時間以上なら過労死確定じゃないかと思いますが、それでも認定率は半分以下です。

過労死の認定は時間外労働の時間だけでなく、その継続性や勤務の内容、精神的な緊張、出張の頻度など様々な要因が審査の基準となるので、一概に時間だけでは判断できないのが現状です。

個人的な実感としては60時間では死なない気もするが…

実際、時間外労働が60時間、あるいは危険ラインと言われる100時間を超えている人は少なくありませんが、実際は死ぬ人はあまりいない印象もあります。
私もサラリーマンの頃は、年度末の2月3月はかなり多忙で時間外労働は100時間を超えていました。
平均すれば1日5時間の残業と、休日出勤月5回ぐらいでしたが、徹夜の日も少なくありませんでした。
プライベートでは酒を飲んで寝るだけでした。

しかし、私はマシな方で、先輩の中にはいつ寝ているんだろうかというぐらい強烈な人がいました。
0時前に帰ったところを見たことがなかったので、多分残業は毎日9時間ぐらいしていたと思います。時間外労働は200時間は楽勝で超えていたはずです(しかも管理職なので残業代なし)。
傍から見てて、この人死ぬんじゃないかと思ったぐらいですが、彼は今も生きているそうです。

仕事が好きな人ならそれでいいのかもしれませんが、そこまで仕事を愛してなかった私は、そんな先輩を見てこの会社ではやっていけないと思いました。
それが私が会社を辞めた理由の一つでもあります。

過労死の具体例

さて、少し話がずれましたが、どれぐらい働けば過労死するのか、ニュースになった具体的な事例を見ていきます。

★トヨタ自動車
・エンジニア(45歳)
・土日出勤
・頻繁な海外出張
・直前2か月は月90時間の時間外労働
虚血性心疾患で死亡。

★居酒屋チェーン店 大庄(2014年ブラック企業大賞8位)
・調理場担当(24歳)
・死亡前4カ月間の総労働時間は1カ月平均276時間で、時間外労働は平均112時間
・残業80時間を初任給に組み入れ
入社後4ヶ月で急性心不全で死亡。

★ドラッグストア スギヤマ薬品
・薬剤師(24歳)
・残業が百三十八時間に及んでいたと認定
・死亡前一カ月間に二日しか休みが取れず
入社後1年2ヶ月で致死性不整脈で死亡。

★すかいらーく
・店長(49歳)
・サービス残業は月平均130時間で、多いときは150時間、160時間
・上司から激しいパワハラ
脳梗塞で死亡。

★マクドナルド
・店長(41歳)
・名ばかり管理職
・残業が最長月121時間
くも膜下出血で死亡。

★和菓子製造会社 萩原製菓
・製造本部長(30歳)
・13カ月で休日3日だけ
・毎月100時間以上の時間外労働
心室細動で死亡。

★ヤマト運輸
・営業担当(47歳)
・過労死直前3カ月間は、時間外労働が1カ月で86~110時間
くも膜下出血で死亡。

やはり、100時間を超えると過労死する危険性が高いと言えそうです。

時間外労働時間が100時間を超えている人の数と割合

時間外労働が100時間を超えている人は私の実感として少なくないと思います。
具体的なデータを探しましたが、ピッタリ来るのが見つかりません。
しかし、労働時間が週60時間以上の人の割合のデータがありました。
時間内勤務を週40時間とすると、時間外労働時間は週20時間になって、月90時間程度に相当します。

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出典:厚生労働省HP(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000069071.pdf)

概ね500万人、労働者人口の1割が危険水準と言える月90時間を超えています。
500万人の人が過労死の危険に晒されている事態は異常と言ってもいいはずです。

自分が過労死しても会社は回り続ける

死ぬまで働くのはアホだと思います。
命がけで仕事をしている、というとかっこいい感じもしますが、後世に残るような大仕事ならともかく、居酒屋やマクドナルドの仕事って自分の命をかけてするようなことでしょうか。自分が辞めても次の誰かがすぐに自分のポジションに入るでしょう。

実際、過労死した社員を出した会社で、それが原因で潰れた会社はほとんどありません。
過労死した社員は唯一無二の人材ではなく、代わりのきく駒である場合がほとんどだからです。
社会的イメージは悪化しますが、あの会社もあの店も、何事も無かったように本日も営業しています。

過労死する人は真面目で責任感が強いといいます。
自分が辞めたら、業務が回らない、他の社員に迷惑がかかると思って、限界まで我慢し続けます。

確かに辞めたら一時的に現場は混乱しますし、他の社員の負担は増えるかもしれません。
しかし、時間が経てば元通りです。
過労死して職場を去るのと、そうなる前に辞めるのと、結果は変わらないです。

逆の見方をすれば、過労死されると会社も困ります。
イメージが悪くなりますし、多額の賠償責任を負うことになるからです。

なので、過労死しそうだと思ったら自分のため、あるいは会社のためにも辞めることは良いことだと思います。
また、自覚症状がなくても、時間外労働時間が月100時間を超え続けているような会社はリスクが高いので辞めることを本気で考えたほうがいいでしょう。