日頃仕事に追われて自由のないサラリーマン諸氏の中には、ホームレスって働かないで毎日ブラブラできていいよな、と憧れる人もいるでしょう。
しかし、そのホームレスのイメージは正しくありません。
「平成24年「ホームレスの実態に関する全国調査検討会」報告書調査」によれば、ホームレスの6割が仕事を持っています。
ホームレス=ジョブレス
は間違いです。
homelesswork

実に61%のホームレスが仕事についています。
75歳以上の後期高齢者でも半数近くが働いているのも驚きです。
具体的な仕事内容ですが、8割ぐらいが空き缶集めなどの廃品回収です。
次は建設日雇いで1割程度、残りは運搬作業、並び屋などです。

その収入ですが、以下の通りになっています。
1000円未満…1.6%
1000~5000円未満…5.6%
5000~1万円未満…5.7%
1万~3万円未満…34.1%
3万~5万円未満…30.2%
5万~10万円未満…14.8%
10万~15万円未満…3.6%
15万~20万円未満…1.2%
20万円以上…1.1%

1万円から5万円ぐらいが大部分でした。サラリーマンのおこずかいと同じぐらいですね。
衣食住を0円で賄っているとすると、ホームレスの自由になるお金は実はサラリーマンと同じぐらいといえるかもしれません。

一方、20万円以上稼いでいるホームレスも1.1%、大体100人に1人います。
それだけ稼いでいれば普通にアパート借りて生活できるはずですが、借金取りから逃げているなどの事情があるのでしょうか。

ほとんどのホームレスは、
・生活コストがほぼ0円
・社会保険料、税金は払ってない
・扶養家族がいない

なので、稼いだお金がほぼ全額自分で自由になるお金になります。
ホームレス=貧乏
とは必ずしも言えないと思います。
ホームレスは、暑さ寒さ、周辺住民の嫌がらせなど苦労は多いと思いますが、働いてそれなりの収入があれば、豊かに暮らせる可能性はあります。

とはいえ、ホームレスに憧れて、そうなったという人はほとんどいないようです。
ホームレスになった理由は以下の通りです。
・倒産や失業…28.4%
・仕事が減った…34.1%
・病気・けがや高齢で仕事ができなくなった…20.4%
・労働環境が劣悪なため、仕事を辞めた…6.3%
・人間関係がうまくいかなくて、仕事を辞めた…15.5%
・上記以外の理由で収入が減った…2.9%
・借金取立により家を出た…4.6%
・アパート等の家賃が払えなくなった…16.8%
・契約期間満了で宿舎を出た…3.2%
・ホテル代、ドヤ代が払えなくなった…5.0%
・病院や施設などから出た後行き先がなかった…3.3%
・家庭内のいざこざ…8.5%
・飲酒、ギャンブル…5.0%
・その他…12.4%

ほとんどが、仕事が減って収入が減って家賃が払えなくなった、というパターンです。
もし仕事が順調なら、現在はホームレスをやってない人がほとんどのはずです。
「その他」のなかにホームレスになりたくてなった、という回答もあるかもしれませんが、多くはなさそうです。

しかし、一回ホームレスになると、案外悪くないと思っている人も少なくないようです。

ホームレスの今後希望する生活は以下の通りです。
・自活したい…28.4%
・福祉や医療を利用したい…23.8%
・今のままでいい…30.5%
・その他・不明…17.3%

今のままでいいと答えた人が最も多い結果になりました。なお、3年以上のベテランホームレスになるとその割合は38.8%にもなります。
ホームレスは1度やったら止められないというのはあながちウソではなさそうです。

まとめ

ホームレスも働いている人が多いので、毎日遊んでいるわけではありません。
廃品回収で働けば数万円の収入になります。当然サラリーマンの収入に比べると低いですが、支出を抑えれば全額小遣いにすることも可能です。
さらに、少ないながらも月収20万円以上のホームレスも存在しているので、ホームレスが貧しいとは一概に言えない部分もあります。

そう考えるとホームレスも悪くない気がしますが、望んでそうなった人はほとんどいないと思われます。
仕事が無くなって仕方なく、という人が大半です。

ただし、実際にホームレスになってみると、今のままでいいという人が3割程度います。案外ホームレス生活も悪くないのかもしれません。

なお、ホームレスの数は、平成19年の調査では全国で18,564人でしたが、平成24年の調査では9,576 人と、約6割に激減しています。
アルミ缶回収などのホームレスの仕事はそれほど減っているとは思えないので、仕事に就けるチャンスが大きくなっていると言えます。
そういう意味では、ホームレスの今後の状況は明るいと言えるかもしれません。
あえてホームレスを目指す必要はありませんが、ホームレスになることを過度に恐れる必要もなさそうです。